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2008年11月09日

ドコモに殴りこみ! “端末は自由”携帯業界の常識覆した日本通信


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“ガリバー・ドコモ”にケンカを売った小さなベンチャー企業がある。ヘラクレスに上場する従業員約120人の日本通信だ。NTTドコモから通信網の“開放 ”を勝ち取り、独自の通信サービスを展開。海外メーカーなどから格安で調達した独自の情報通信端末も提供している。ドコモを筆頭とする巨大通信事業者が支配する国内市場に風穴を開けることができるのか。それとも厚い壁にはじき飛ばされてしまうのか…。

 「この端末は、大手製薬業者が導入を決めてくれた」

 日立製作所やNECなどの大手企業が軒を連ねる東京都品川区南大井の一角の小さなビルにある日本通信の本社。福田尚久CFO(最高財務責任者)は、自信満々で胸を張った。

 目の前には、量販店では見たこともない、USBメモリーのような超小型やシンプルでスマートな端末が並ぶ。

 日本通信のように、自前の通信網を持たず、他社の通信網を活用してサービスを提供する事業者は、「MVNO(仮想移動体通信事業者)」と呼ばれている。同社が業界を驚愕(きようがく)させたのは昨年11月のことだ。

 ドコモの高速通信網の利用条件をめぐり、異例ともいえる総務相による「大臣裁定」を申請。その結果、「従来の3分の1程度」(業界関係者)といわれる格安の条件で通信網を利用する権利を獲得し、ガリバーに勝利したのだ。

 これを受け、今年8月から、法人向けにIP電話とデータ通信を組み合わせた格安サービスの提供に乗り出した。

 日本通信の勝利には、2つの大きな意味がある。一つは、事業者間で決められていた通信網の利用条件が大臣裁定に持ち込まれ、その契約が公開されたことだ。これまでは「通信網を持つ既存事業者に圧倒的に有利」とされてきたが、これにより、他のMVNO事業者も、日本通信と同じ割安な条件で通信網を利用し、格安のサービスを提供することが可能になる。

 もう一つの意味は、MVNO事業者が増えることで、多種多様な端末が世の中に登場すること。いずれも利用者にとってのメリットは大きい。

 利用条件をめぐる闘争では、携帯電話業界の活性化を目的に、事業者数の拡大を目指す総務省の強い意向が追い風となった。

 総務省は2007年2月に、日本通信が勝ち取ったような透明性の高い方式でMVNOが既存事業者の通信網を利用できるようにする「ガイドライン」を発表。日本通信が難航するドコモとの交渉を大臣裁定に持ち込めたのも、このガイドラインが後ろ盾があったからだ。

 さらに、総務省は今年5月に、既存事業者に対し、利用条件を約款として公開するよう要請。その結果、ドコモと日本通信との間で結ばれた条件も約款として公開された。今後、ドコモの通信網の利用を目指すMVNO事業者は、この約款に沿って、契約を結ぶことができる。

 多種多様な端末が登場する仕組みは、こうだ。日本通信の福田氏は「ドコモの通信方式に対応し、一定の条件をクリアしていれば、どの端末でも日本で利用できる」と明かす。

 ただ、日本の携帯電話市場は、ドコモやKDDIなどの通信事業者がメーカーから端末を買い取り販売する“商慣行”があり、海外メーカーが参入するには、まず通信事業者に採用してもらう必要があった。しかも、通信事業者が販売条件などを牛耳っており、海外メーカーにとっては、参入障壁の高い“鎖国市場”といわれてきた。

 これに対し、日本通信は国内検査機関の検査をパスした海外メーカーの格安端末を中心に提供しているのが特徴だ。

 「われわれは大手事業者と違い、利用者の法人のニーズに合わせ海外の端末を調達しているだけ」

 日本通信の福田氏は、“利用者第一主義”を強調する。

 日本通信では、一般消費者向けサービスへの参入は否定しており、その恩恵は限定的にとどまっている。

 ただ、今後、日本通信のようなベンチャーではなく、海外にネットワークを持ち、商品調達力に優れた大手企業がMVNOとして参入してくるような事態になれば、既存の通信事業者や携帯メーカーにとって大きな脅威となる。

 日本通信の“ケンカ”は、通信事業者が、サービス内容や端末の仕様などを支配する日本独特の「垂直統合型」のビジネスモデルを崩壊させ、鎖国市場に開国を迫る可能性を秘めている。

 ただ、MVNOビジネスが成功するかどうかは、未知数だ。携帯市場は成熟化により、新規契約の獲得は容易ではない。ソフトバンクが米アップルの大ヒット端末「アイフォーン」を国内販売し、ドコモもカナダメーカーの人気機種「ブラックベリー」を投入するなど、競争は激化の一途だ。

 特に、法人向け市場の場合、「サービスの信頼性を重視し、最終的に認知度が高い既存事業者のサービスを選ぶ可能性が高い」(証券系アナリスト)との指摘は多い。

 MVNO同士の競争激化も必至だ。今年に入って参入した企業は11社に上る。野村総合研究所の試算によると、国内のMVNO関連市場は2015年には2兆円規模に達すると予想しているが、事業者の淘(とう)汰(た)は避けられない。

 “栄枯盛衰”の激しい通信業界では、先進的なビジネスモデルを打ち出しながら、その後の競争に敗れた企業は枚挙にいとまはない、日本通信は、業界の風雲児となり、ガリバーを脅かすのか、それとも、露と消えてしまうのか。

抜粋 産経新聞

・コメント
 MVNOは携帯電話などの無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供している事業者のことです。無線通信サービスの免許を受けられるのは国ごとに3〜4社程度しかありません。そこで、免許を受けた事業者の設備を利用することで、免許のない事業者も無線通信サービスを提供することが可能になります。

 具体的には、NTTドコモやKDDI,ボーダフォンといった携帯電話事業者から設備を借りて,端末やサービス等の事業形態のことです。

 ルールが整備されMVNOに設備を貸す事業者が増えれば,欧米のヴァージンのように、自社ブランドの端末だけでなく様々な形の通信端末やサービスが存在し、活性化されると思われます。

 グーグル、楽天のような業種がコンテンツで儲けて,通信料金は無料にするMVNOが日本で出て来てもおかしくないわけです。

参考 MVNO WIKI
 携帯電話やPHSなどの物理的な移動体回線網を自社では持たないで、実際に保有する他の事業者から借りて(再販を受けて)、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のこと。(かつてのアステルやツーカーは自社の回線が及ばない地域等はNTT等の他社の回線を利用していたが、この場合は含まない。)

対義語として、自社網をMVNO事業者に提供する側を、MNOと呼ぶ。

OEM製品の、移動体通信サービス版とも言える。有線、無線のいずれも、ネットワーク・サービスの提供には、自ら通信回線設備を構築する方法と、他社の持つ通信回線設備を借り受ける方法の2つの方法がある。有線でブロードバンド普及のきっかけとなったADSL事業は、NTT東西両社が持つ電話回線設備を借り受けて、ADSLという高速データ通信サービスを提供するものである。これと同様のビジネスモデルを無線ネットワークで行うのが、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)である。海外でのMVNOは、英国のヴァージン・モバイルが有名だが、ヴァージン社は携帯の音声通話サービスを提供しており、音声通話では付加価値がつけられないため、課金・請求で差別化しているものが大半である。その中で日本のMVNO第一号である日本通信が進めているデータ通信MVNOは、技術面を中心に差別化が可能であり、付加価値率が高く、高い収益性を確保することが可能な新しいビジネスモデルとして注目されている。

サービス卸元の事業者としては、卸先の事業者の販売・営業体制を活用することができ、卸先の事業者にとっても、物理的な移動体回線網設備の負担なくサービスを提供する事ができる。

また、両者間の契約形態(帯域貸し等その他)から、同程度のサービスを、卸元よりも卸先が安価に提供する事も多い。

posted by kei at 04:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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